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Pertronix 「IGNITOR」「Flame thrower coil」

当店で扱う点火系パーツは、米Pertronix社のポイントレスキット・Ignitorを中心に展開させて頂いております。同社のキットは30ヶ月のメーカー保証と他メーカーより長い保証期間がついており、信頼性も高くしかもリーズナブルで大変おすすめでございます。よくパーツを扱うショップ様で「輸入品につき初期不良のみ保証」という件を見かけますが、なぜ輸入品だとメーカー保証が受けられなくなるのか意味が分かりません。単にメーカーに大して店舗側が英語で保証交換の交渉を行うのが面倒なだけでは、と勘ぐってしまいます。当店ではメーカー保証通りの30ヶ月保証を適用致します。(当店オリジナルキットに関しましては当店独自の12ヶ月保証となります。)

「IGNITOR」は点火系のチューンナップに最高の性能と最高のコストパフォーマンスをもたらすポイントレスパーツで、世界中で200万個以上の売り上げを誇る大ヒットミリオンセラー商品です。いわゆるフルトランジスターパーツの中では間違いなく世界一の販売数でしょう。 この製品をデスビ内部のポイントと置き換えるだけで様々な効果が期待出来ます。
  • 確実にスパークエネルギーアップ
  • 燃焼効率アップ
  • トルク&パワーアップ
  • あらゆる回転域で確実なスパーク
  • ポイント交換二度と必要なし
  • 煩わしいポイントギャップ調整、ドエル角調整も二度と必要なし
  • たった15分で簡単インストール(配線にかかる時間は別途)
ディストリビューター内部のポイントと交換するだけの簡単インストールで、あっと言うまに点火系のアップグレードができます。しかも高価なフルトラアンプが不要、非常にシンプル&リーズナブルです。

Framethrower 40,000V coil



旧車の点火回路・簡単な解説とポイントレス化の利点

一般的な電気回路は左下図のように電源と機器からなっており、この機器がもつ抵抗値に応じた電流が流れるようになっています。例えばこの図の場合の電球の抵抗値が3Ω、電源電圧が12ボルトだった場合、オームの法則から12÷3=4で4アンペアの電流が流れることになり、電球が点灯します。当然のことながらスイッチをオンにすると点灯し、オフにすると消えます。このスイッチのオン/オフによる、電球の両端にかかる電圧と電流の変化は右のようになります。当たり前ですね。

     



この回路にコイルが加わった場合、状況は一変します。

     

コイルが回路に加わった場合、変化しようとする電流に対してそれを妨げようとする逆向きの起電力が発生します。電流の流れていないところに流そうとスイッチを入れると、流すまいと逆起電力が邪魔をするので電流はゆっくりカーブを描きながら4Aまで上昇していきます(コイルの内部抵抗値は無視して考えています)。同様に、スイッチを開いて電流の流れを止めようとすると、今度は電流の流れを維持しようとしてコイルは電圧をはね上げます。これを自己誘導起電力と言います。

これは物理でいうところのニュートンの運動法則の第一法則に非常によく似ています。第一法則では「止まっている物体は止まり続けようとし、運動している物体は運動し続けようとする」という慣性の法則ですが、電気回路にコイルを入れた場合、質量を持たない電気エネルギーにもこれと同じことが起こるわけです。面白いですね。

旧車における点火のシステムはこの自己誘導起電力を利用しており、この回路でいうスイッチの役割をポイントが行っています。ポイント(スイッチ)が開いた瞬間、一次側電流は遮断されてしまうわけですがコイルはなんとか電流を維持しようとし、100Vを超える電圧に跳ね上がり、これをコイルの二次側がトランスの役目を果し、一次側と二次側の巻数比の倍数によって万ボルトクラスの電圧をスパークプラグに出力します。この一次側と二次側の巻数比による変圧を相互誘導起電力と言います。

こういったコイルの一次側電流を磁気エネルギーとしてチャージし、電流の遮断によって跳ね上がった電圧を二次側が変圧して出力する方式をインダクティブ点火、日本ではケタリング方式と呼んだりします。

つまり、このインダクティブ点火ではまず一次側での発生電圧がとても重要になるわけですが、この一次側の自己誘導起電力はコイルのもつインダクタンス値に比例します。つまり、コイルのターン数(巻数)を増やせば増やした分だけインダクタンス値が増え発生電圧も高くなります。が、同時に逆起電力の発生も大きくなってしまいますので電流の上昇カーブもゆっくりになってしまいます。つまり電気エネルギーを磁気エネルギーとしてチャージする時間(=ドエル)も長く必要になってしまいます。

エンジンの回転数が高くなればなるほどポイントが開閉する時間間隔つまりチャージ時間は短くなるので、短くなっても一次側電流の上昇が十分になるようコイルのターン数を決める必用があり、やたらにターン数を増やすと低回転時のトルクは太くなっても高回転では点火エネルギーが足りずパワーが出せないコイルになってしまいます。同様に高回転を意識するあまり、巻き数を減らしてとにかくチャージの早いコイルを作りますと確かに高回転まで廻せますが点火エネルギーそのものは低くトルクの出ないコイルになってしまいます。

従いましてイグニッションコイルというのは用途により最適な仕様を設計する必要があり、どんなものにも万能なコイルというのは理論的にあり得ず、車の用途や点火システムごとに専用のものが用意されなければなりません。(Pertronix社のIgnitor、Ignitor IIにはそれぞれ最適なコイルのFlamethrowerシリーズのコイルが用意されております。)

そしてもう一つ、発生電圧を左右するのがアーク電流というものです。ポイントが開いて一次側電流を遮断しようとすると、ポイントの間隙に火花がバチッと飛んで通電を維持しようとするのが見えます。これがアーク電流です。自己誘導起電力の発生電圧は、一次側電流の遮断の早さに左右されます。このアーク電流がだらっといつまでも流れますと、発生電圧は低くなり、逆にスパッと切ることが出来れば非常に高い電圧を発生させることが出来ます。このアークをなるべく短くさせる為にポイントの出力と並列にコンデンサーがついていて、アーク発生の瞬間にコンデンサーで吸収する仕組みになっています。

ポイントレスキット/フルトラシステムにした場合、物理接点が無くなる為このアーク電流がまったく無くなり、一次側電流を即時に遮断することが可能になり、非常に高い発生電圧を得ることが出来、エンジンにトルクが出るわけです。また、ポイントというのは接点もヒールも常に磨り減りながら作動していますので、その間隙(ギャップ)もドエルも常に少しずつ変化しており、定期的なメンテナンスが必要となり、調整はもとより消耗により新しいポイントに交換する必要も出てきます。旧車の場合もはやポイントが入手が困難という車両も多く、またイタリアのスーパーカーなどは一つのデスビにポイントが4つも入っていたり、調整が非常に面倒な車両も多く、こういったいずれの車両に対してもポイントレス化することで非常にイージーに車両を好調に維持することが可能になります。

デスビ内部のイメージ図


Pertronix Ignitorは基本的に電子式のスイッチ(ポイント)だとお考え下さい。磁力に反応してオン/オフするこの電子式スイッチは、ポイントカムの上に気筒数と同数の磁石を内蔵した「マグネットスリーブ」の回転からこの磁力を検知し、スイッチをオフにします。するとイグニッションコイルの一次側に流れていた電流が瞬時に遮断され、高い自己誘導起電力を発生、コイルからスパークプラグに高い電圧が放出されることになります。

あらゆる方面から考えても、ポイントレス化はメリットばかりで、価格的にもリーズナブルで耐久性の高いIgnitorとFlamethrowerコイルを導入することは必ずやお客様のお車に大きな効果をもたらすに違いありません。



「他のフルトラシステムとどう違うの?Ignitorはアンプが無いですよね?」

よく頂く質問です。旧来からのフルトラシステムは、デスビ内部に光学式あるいは磁気式のセンサーを設置し、そのセンサーが発する信号を元に「アンプ」と呼ばれるイグニッションボックスが点火を行います。ここに名前のトリックがあるのですが、「アンプ」という単語を使っているために何か大きな電圧を扱うように錯覚を与えます。が、実際のところ、このイグニッションボックスはポイントとコイルだけの点火の時と同じようにコイルに一次側電流を流しセンサーからの信号によってこの一次側電流を止めるという、コイルに12ボルトの電圧を供給するだけの「電源部」です。アンプと言うとその何倍もの電圧をコイルに与えるかのように勘違いされますが、CDIと違ってそのような役割はなく、インダクティブ点火(ケタリング方式)であることにはかわりません。

インダクティブ方式の場合、コイルの一次側に流す電流が大きすぎますと、これが流れる時間の長い低回転時に焼きつきが起こります。従いまして4気筒〜6気筒(=2スト3気筒)の場合、コイルの一次側抵抗値は3オームと決め、電流を4アンペア程度に押さえることとされています。ですので、もし「アンプ」なるもので24ボルトや48ボルトをコイルにかけてしまったり、あるいは抵抗値の低いコイルを使ってしまえばコイルに流す電流が大きくなり過ぎコイルは焼きついてしまいますので、センサー&アンプ方式のフルトラシステムも同様に3オームのコイルを使う仕様のものが多いのです。つまり、センサー&イグニッションボックスの旧来のフルトラ式も単体で動くIgnitorも点火の能力自体はまったく同等で、且つIgnitorの方がシンプル/リーズナブルであるということになります。同じ詳しくは「FAQ・よくあるお問い合わせ」のページもご覧ください。

いわゆるセミトラシステムというのは、このイグニッションボックスをポイントで駆動させる方式で、ポイントにはコイルの一次側電流は流さずイグニッションボックスに送るタイミング信号用の微小な信号電流だけを流しますのでポイントの焼けなどはなくなりますが接点の物理的な接触やヒールの摩耗は無くなりませんから、やはりポイントのメンテナンスは必要で、あまり意味のあるシステムとは言い難いわけですが、Ignitorはポイントと置き換えて使用するいわば電子式ポイントですので、このセミトラシステムにPertronix Ignitorを組み合わせればフルトラシステムとして有効活用出来ることにもなります。が、前述しました通り、こうしたケタリング方式のイグニッションボックスをつかったところでIgnitor単体でも同様の働きをしますのであまり意味はありませんが、Ignitor唯一の弱点である「エンジンをかけずにスイッチオンのまま放置するとIgnitorモジュールが焼損してしまう」というトラブルは回避できる場合も多いようです。


「CDIとかハイパーイグニッションとはどう違うの?」

CDIというのは、キャパシティブ・ディスチャージ・イグニッションの略で、内部に電圧を急上昇させる昇圧器とそれを蓄えるコンデンサーを持ったイグニッションボックスです。このイグニッションボックスはインダクティブ点火(ケタリング方式)と違ってポイントが閉じてる間はコイルにまったく電流を流しません。ポイントが開いた瞬間にボックス内部のコンデンサーに蓄えた300ボルトを超える高電圧を一気にコイルに駆け、コイルはこれを二次側に変圧し、高い出力電圧を発します。非常に点火能力が高くなる為バツグンの効果がありますが、価格が高かったり物によっては故障が多かったりと、それなりにリスキーでもあります。

この方式では一次側に電流が流れるのが非常に短い時間になるため、コイル一次側のインダクタンス値(すなわち巻き数)が大きいと逆起電力に邪魔されてせっかくの大きなエネルギーがキャンセルされてしまう為、インダクタンス値は小さく設定されるようコイルが設計されることになり、巻き数が少ないことから一次側の抵抗値も少なく、0.6〜0.8Ωくらいの低い抵抗値のコイルが殆どです。CDIの場合にもポイントの代わりにIgnitorで点火の信号を送れば、ポイントの欠点であるメンテナンスの必要性や点火時期の狂い、さらにはバネの反力の限界によるサージングも防ぐことも出来、非常に多くの利点があります。

現代の車両の点火系は、デスビを持たずにクランクプーリーやカムに設置されたアングル(角度)センサーで点火時期を検知し、各気筒ごとに設置された点火イグナイタ+コイルに信号を送り、点火イグナイタはコンピューターで制御された短いドエルでコイルに短く鋭く電流を流し、点火させる方式です。ドエルが短いのでコイルの抵抗値は低くなっています。永井電子のハイパーイグニッションはデスビのポイントから信号をとりますが、この現代のコンピューター制御の点火に似た、ドエル角をコンピューター制御する点火イグナイタとコイルを一体型にした製品です。このハイパーイグニッションもポイント用とフルトラ用とがありますが、ポイント用のものにポイントに代わってPertronix Ignitorを使用しますと、CDIの場合と同様に非常に効果的です。