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Pertronix IGNITOR・イグニッションコイルの選び方

「Ignitorを取付ける時にはコイルも換えなきゃいけないんですか?」

よく戴くご質問です。ポイントレスキットIgnitorをお買い求め下さるお客様にはイグニッションコイルも併せて交換されますようお勧めしております。 イグニッションコイルというのは基本的に点火システムごとに専用設計されているものであること、一定年数を超えると性能は確実に劣化していく消耗品であること(Boschの場合9年/9万キロを性能保証限界としています)などから、リーズナブルな価格にてご奉仕しておりますので、以下の項目をよくお読み下さいませ。

イグニッションコイルの選定は非常に重要で、間違った選び方をしますと機器の破損を招き大変危険です。慎重に考え、正しくお選び下さい。

まず、考え方の順序として、最初に「使えるか、使えないか」があり、その次に「その点火システムに対し最適か、又は最適ではないが害でもないか」があります。何万ボルトと表示されてるから強力だ、レース用だからパワフルだ、そんな単純な考え方でコイルを選びますと場合によっては車を壊してしまったり、ひどいと車両火災の原因になってしまう可能性すらあるのがイグニッションコイルです。一般的にハイパワーを謳ったものは主にCDI用が多く一次側抵抗値が低すぎポイント点火やフルトラ式には使えないものが殆どで、レース用と謳われたものは街乗りでは却って良くない場合も多く、巻き数が多い方が火花が強いと思えば巻き数が多ければ多い程火花の立ち上がりは遅くなり、巻き数が少ない方が立ち上がりがシャープと言えばそれは即ち励磁が弱く出力があまり高くない、など.... 即ちコイルというのは万能というものはなく、点火システムごとに専用のものが設計され、用途に最適な仕様のものをチョイスする「必用」があるわけです。

もし貴方が4気筒車のユーザーで、ショップでMSDブラスター2コイルをポイントでも使えるよと奨められたら。その時はどうかこのページを思い出して下さい。(詳しくはこちらをどうそ)

このページでは主にPertronix IGNITORとコイルで点火させる上でのコイル選びについて記述しますが、基本的にポイントとコイルで点火させる場合もまったく同様です。 ポイントの焼けが早い・コイルがパンクする・フルトラアンプがパンクする 等の不具合を起す車両はまずコイルの選び方が間違っている可能性が非常に高いと言えます。今お使いのそのコイル、間違いありませんか?本当に大丈夫ですか?

4気筒車の場合、コイルの内部抵抗値と外部抵抗器の抵抗値の合計が3オームにならなければいけません。 6気筒車と2スト3気筒車は2.5オーム以上あれば大丈夫ですがなるべく3オームに近くすることをお勧めします。 この考え方に沿って解説しますのでお乗りの車両のエンジン形式をクリックし進んで下さい。 尚、CDI等を使用する場合、IGNITOR2を使用する場合は気筒数に関係なく10番〜13番の項目に、JM4、TY-184やPSKシリーズなど赤いモジュールのポイントレスキットの場合は10番に進んで下さい。

こうした注意事項を丁寧にご説明させて頂き、 これをお読み下さったユーザー様ご自身でのIGNITORお取り付けでは皆様非常に快適にお車をお乗りになられてらっしゃいますが、 非常に残念なことに整備工場様にお取り付けを依頼されましたお客様からIGNITORが壊れたというクレームが大変多く、 調べてみますとやはりイグニッションコイルの選び方・接続の仕方を誤ったメカニック様によって取り付けされたという例が後を絶ちません。 どうかプロの整備士の方も 点火系における電気の法則を謙虚に学んで頂き、 大切なお客様のお車にダメージを与えるようなことのないよう、切にお願い申し上げます。
こちらのページも併せてご覧下さい。


  1. 4気筒・国産車
  2. 4気筒・欧州車
  3. 6気筒・国産車・アメリカ車
  4. 6気筒・欧州車
  5. 8気筒シングルデスビ車
  6. 8気筒ツインデスビ車
  7. 2サイクル3気筒車
  8. 2サイクル2気筒車
  9. 4サイクル2気筒車
  10. PSKシリーズ(赤いモジュールのイギリス製後発モジュール・JM4含む)を使用する場合(気筒数に関係なく)
  11. IGNITOR2を使用する場合(気筒数に関係なく)
  12. MSD社製CDIを使用する場合(気筒数に関係なく)
  13. Bosch製CDIを使用する場合(ポルシェなど)
  14. その他のCDIを使用する場合(気筒数に関係なく)














2サイクル2気筒車
2ストの2気筒車の場合、ポイント+コイルで走行する場合には4気筒車と同じになりますので4気筒・国産車をご覧ください。
2スト2気筒車にIGNITORキットを取付ける場合、大抵はデスビの内径が非常に狭い為モジュールの設置位置に限界があり、本来稼ぎたいドエル角(コイルへの電流のチャージ時間)が十分とれない場合があります。スバル360/R2用キットがその例で、勿論4気筒車と同じように3オームのコイルを使用することはむしろ安全性は高くなるので問題はないと言えばないのですが、点火能力のみを考えた時には一次側抵抗値を下げてチャージを早くする方が効果的と言えます。その為1.5オーム付近のコイルをお薦めしております。


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4気筒車・国産車の場合
お乗りのお車に抵抗器がついているかどうかわからない、純正状態かどうかもわからない、といったお客様の場合には、Flame thrower 40,000V coil(3オーム)かBoschのブルーコイルをお使い頂ければまず間違いありません。


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6気筒車・2サイクル3気筒車・国産/アメリカ車の場合
お乗りのお車に抵抗器がついているかどうかわからない、純正状態かどうかもわからない、といったお客様の場合には、Flame thrower 40,000V coil(3オーム)かBoschのブルーコイルをお使い頂ければまず間違いありません。


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4気筒・欧州車の場合
お乗りのお車に抵抗器がついているかどうかわからない、純正状態かどうかもわからない、といったお客様の場合には、Flame thrower 40,000V coil(3オーム)かBoschのブルーコイルをお使い頂ければ間違いありません。


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6気筒・欧州車の場合
お乗りのお車に抵抗器がついているかどうかわからない、純正状態かどうかもわからない、といったお客様の場合には、Flame thrower 40,000V coil(3オーム)をお使い頂ければ間違いありません。


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8気筒・シングルデスビ車
お乗りのお車に抵抗器がついているかどうかわからない、純正状態かどうかもわからない、といったお客様の場合には、Flame thrower 40,000V coil(1.5オーム)かアクセル・スーパー・ストック・コイル42,000Vをお使い頂ければ間違いありません。


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8気筒・ツインデスビ車


8気筒ツインデスビの場合、4気筒ずつの2回路に別れるので4気筒車用の考え方を2系統用意すると考え、外部抵抗器付きであれば4気筒国産車、外部抵抗器が着いていなければ4気筒欧州車の項目をご覧下さい。又、CDI使用の場合・IGNITOR2を使用する場合もそれぞれの項目にて2系統とお考え下さい。




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4サイクル2気筒車の場合

4サイクル2気筒エンジンの場合、純正状態のポイントではドエル角が広くなる為に抵抗値を10%程多い3.3オームに設定しているのが普通ですが、Pertronix IGNITORでポイントレス化した場合にはドエル角を4気筒車と同等になるよう設計されていますので3オームで考えて差し支えありません。 お乗りのお車に抵抗器がついているかどうかわからない、純正状態かどうかもわからない、といったお客様の場合には、Flame thrower 40,000V coil(3オーム)かBoschのブルーコイルをお使い頂ければまず間違いありません。


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IGNITOR2を使用する場合

IGNITOR2は内蔵されたコンピューターによってドエル角を制御する機能があります。時々ドエル角=スパーク電流の放電時間と勘違いされている方がいらっしゃいますがそれは間違いで、ポイントで言えばポイントが一旦閉じてから次に開いてスパークするまでのクランクシャフト上での角度、つまりコイルの一次側に電流を流して電気エネルギーを磁気エネルギーとしてチャージする角度のことを言います。ポイントやノーマルIGNITORの場合どの回転域でもドエル角(クランクシャフト上の回転角度)は一定ですが回転数の上昇に伴いチャージする時間は短くなります。IGNITOR2では低回転域ではドエル角を小さめに、一番トルクの欲しい中回転域でドエル角を大きくとり、チャージ時間を長くとるよう制御しています。

このシステムにベストマッチなのは専用設計されたFlame thrower II 45,000V coilであることは言う迄もありませんが、基本的に市販されている殆どのコイルが使用可能です。

ただ、Flame thrower II 45,000V coilの抵抗値0.6オームを極端に下回る抵抗値のコイルは一次側電流が巨大になる為にドエル角制御が強く働き(ドエル角が小さいまま、大きくならない)、いくらハイパワーを謳っているコイルでも意味が無くなってしまいます。IGNITOR2とFlame thrower II 45,000V coilの組み合わせでのドエル制御はアメリカンV8車を理想のドエルに制御するよう設計されていますので、デスビ一回転あたりの点火数が8気筒車の半分である4気筒車の場合、内部抵抗値がほぼ倍(1.2〜1.5オームくらい)のコイルを使用し一次側電流値を半分にすることで同じドエル制御特性が得られるとも考えられますし、3オームのコイルを使用すれば一次側電流が小さくなる代わり更ににドエルを長くとるよう働きます。

従いまして、IGNITOR2には市販のコイルのどんなものを使用しても似たような結果になると言えますが、0.3オーム以下のコイルは意味がないだけでなく扱う電流値が大きくなる分故障のリスクも増えてしまいますので、抵抗値が極端に小さなコイルは使用しない方が無難と言えます。

又IGNITOR2は、内蔵しているコンピューターがノイズを非常に嫌うデリケートな構造をしており、プラグコードの抵抗値が小さすぎるコード(或はまったくない金属の芯線コードなど)は誤動作〜破損の原因となります。国産のアフターマーケットパーツ(永井電子・NGK等)のプラグコードであれば問題ありませんが、アメリカのアフターマーケットでレース用を謳うものにはこういった危険なプラグコードがゴロゴロしています。コイル・プラグコード共に過度な仕様のものは求めるパフォーマンスが得られる以前にリスクばかりが大きくなるという事実があります。十分にお気をつけ下さい。




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MSD社製CDIと組み合せて使用する場合


MSDに限らず、IGNITORをCDIと接続して使用する場合、IGNITORは単純にCDIに対して点火のタイミングを報せるだけのトリガー装置となりますので、点火性能そのものはCDIの性能に全て依存します。従いまして使用するイグニッションコイルはCDIメーカーの推奨するものとなります。MSDの場合はこちらのページの通りです。

このチャートはMSD社のものなのでMSD製のコイルしか記述がありませんが、例えばFlame thrower II 45,000V coilはCDI用としても優れた特性を発揮しますのでMSDのCDIと組み合せても良いパフォーマンスを発揮します。他にもFlame thrower 40,000V coil、Boschのブルーコイル、アクセル社のスーパーストックコイル等のユニバーサル(汎用という意味です)なコイルはCDI用ではありませんが使用することは可能です。ベストなパフォーマンスとなるかと言えばそれはまた別の話ですが、一次側内部抵抗値が0.7オーム以上あるものであれば取りあえず安全に使用することは出来ます。

ただ、このチャートで一つ気をつけなければいけないことがあります。Blaster Ignition, MSD 5, Stacker 等の名称のイグニッションボックス(既に廃版)がありますが、これはCDIではなく単なるアンプで、ポイント車に使用すれば日本風に言うところのセミトラアンプ、ポイントレスキットと併せて使用すればフルトラアンプとなる製品です。従いまして4気筒車・6気筒車で使用する際にはIGNITORとコイルだけで使用する場合と同様に抵抗値を3オームに揃える必用があります。

更に、MSD社のCDIには6シリーズから10シリーズまでラインナップがありますが、7シリーズ以上は完全にレース仕様です。特にドラッグレース仕様(stripという表記は滑走路を意味しておりつまりはドラッグレース用)のものは強力なエネルギーを出力する代わりに発熱量もものすごく、ドラッグレースなどの一瞬しか使わないというような用途での使用に併せた設計になっています。これをレース用でパワフルで最高だからと街乗りやツーリングに使用する車に取り付け普通に長時間連続で走行したり渋滞にハマったりしますと立ち所に壊れてしまったりします。行き過ぎたパーツは及ばざるがごとし、ということです。ご注意下さい。


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ポルシェ純正Bosch製CDIと組み合せて使用する場合


ナロー時代のポルシェオーナーの皆さんはやはり純正のCDIを大事にされる方も多いと思いますが、このCDIに使用出来るコイルは基本的にBoschのCDI専用コイルのみで、少し前までBC3という名前で売られていましたがもはやこれも絶版となり、純正スペックでのCDIシステムを継続して維持することは困難になりました。使用出来るコイルが手に入らないということもありますし、70年代前半もしくは60年代に製造された電子機械ですから耐用年数を大幅に過ぎており、壊れて路上でストップしてレッカーに大枚を払うようなことになる前に(私は何度もなりましたw)現代の装置にアップグレードすることをお勧め致します。

簡単にスワップするCDIシステムとしてはPermatune社のCDIがお勧めです。このPermatuneをよく壊れると言う方が時々いらしゃいますが、そもそもPermatuneに換えた方は純正CDIが壊れた為に換えた方がほとんどで、単にCDIが壊れたと言ってCDIが壊れる原因を究明・改善せずにPermatuneを取り付ければ同じ原因によって破損するのは当然です。繰り返しCDIが壊れる車には必ず原因があります。詳しくは当店までお問い合わせ下さい。

IGNITORとコイルだけで走行される場合にはFlame thrower 40,000V coil(3オーム)、IGNITOR2の場合にはFlame thrower II 45,000V coilがお勧めです。ナローポルシェの場合IGNITOR(特にIGNITOR2)とコイルで走行する際にタコメーターの針が踊ってしまうことがあります。この場合にはタコの信号線にダイオード(400V/3~6A程度)を挟んでやることで改善する場合が多いです。


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その他各種CDIと組み合せて使用する場合


基本的にCDIを使用する場合にはメーカー推奨のコイルを組み合せて使用して下さい。現在生産されていない絶版品のCDIに関しては当店ではサポート致しません。昔の国産CDIをヤフーオークション等で落札され、何故か当店に配線方法を教えてくれと検討違いなメールを下さるお客様が多数いらっしゃいます。残念ながら当店はそういった古い絶版機器のデーターはございませんしなんら責任を持てませんし、ある程度推測出来る機器につきましてもお答え出来ません。

CDIと一口に言ってもいくつも種類があり、シングルスパークのCDI、マルチスパークのCDI、マルチスパークの中にもCDI回路を複数段実装している純粋なCDマルチスパークのものと、コイルとポイント(ポイントレスキット)によるノーマル点火とシングルスパークのCDI点火を併せてマルチスパークとかツインスパークとか謳っているだけのCDIもあります。特にこの最後の胡散臭いマルチ/ツインスパーク方式はかつての国産CDIに盛んに採用されていました。

基本的にシングルスパークでもマルチスパークでも純粋なCD方式だけで放電するCDIであれば内部抵抗値が0.6〜0.7オーム程度のCDI用コイル(Flame thrower II 45,000V coilやMSD社のブラスター2、ブラスターSSコイルなど)が使用出来ますが、胡散臭いマルチ/ツインスパーク方式にこれらコイルを使用しますと、コイルの一次側にはドエルチャージ電流が発生しますから12V÷0.6オーム=20アンペアもの大電流が流れてしまい、CDIがパンクしたりIGNITORやコイルや配線が焼き付いて煙が出たりします。恐ろしいですね、ガソリンが貯まったキャブのすぐ傍に火元が発生するんですから!

まずこういった素性のわからない絶版ジャンクCDIをお使いになるということ自体お勧め致しませんが、もしどうしても自己責任で使用されるということであればFlame thrower 40,000V coil(3オーム)やBoschのブルーコイル等の一次側抵抗値3オームのコイルを使用すればとりあえず過電流による焼損だけは防ぐことが出来ます。が、最適なパフォーマンスが望めるかどうかは全く別問題ですし、海の物とも山の物とも解らない、正常に作動しているのかどうかもわからない、そんなジャンク品を大切なお車に使用されるという行為自体をお辞めになられたほうが安全ではないですか、と進言させて頂くのが当店の立場でございます。


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PSKシリーズ(赤いモジュールの英国製後発モジュール)を使用する場合

PSKシリーズはドエル角が30度に設定されており、これは8気筒車に採用するドエル角で、通常の4気筒車のドエル設定の半分程の角度となります。従いまして8気筒車に使用する1.5Ωのコイルが使用可能となります。

3Ωのコイルでも安全に使用することが出来ますが、1.5Ωコイルを使用した方が高回転まで高い点火能力を維持することが出来ます。







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