Porsche 911 '69〜'77 IGNITOR配線方法




<<ポイントをIGNITORに換えるだけ、純正Bosch製CDIを使用する場合>>

純正状態にIGNITORを付加する場合、IGNITORはCDIに点火タイミングをしらせるだけの装置となりますので、ポイントの代わりとして使用します。IGNITORの二本のコードの役割は以下の通りです。
赤コード:エンジンルームの運転席側壁面にあるフューズボックスのフューズ2(下図参照)の左側の何も繋がっていない端子に繋げることで電源を取る事が出来ますので、ここに赤コードを繋げます。




黒コード:デスビの側面にある端子に繋がっている線(下図の場合は赤の線)は、ポイントの開閉する信号をCDIに送る線です。IGNITOR装着に伴ってこのデスビ側面の端子も取り外し、代わりにIGNITORの黒コードをこの線に直接接続します。



以上で配線終了です。配線図にするとこのような形になります。
CDIの3極の端子の詳細については次の項をご覧下さい。





Bosch 3極式CDI ピン配列
  • A = CDI出力端子。
  • A1=コイルの「+」または「15」と書かれている端子に繋がっている線。
  • B =電源端子。
  • B1=イグニッションスイッチをオンにすると12ボルトが出力される線。
  • C = 点火の信号を受ける端子。
  • C1=信号線。デスビの側面にある端子につながり、その端子を介してポイントまで繋がっている線。
  • D =グランド(アース)。つまりボディアース、バッテリーマイナスに繋ぐ。
 
 




<<IGNITORとイグニッションコイルのみで走行させる場合、CDIは使用しない>>

IGNITORの二本のコードの役割はCDIの場合と同様、以下の通りです。

    * IGNITORの赤コードはIGNITOR本体に電源を供給するコード
    * IGNITORの黒コードは点火の信号を送るコード


1.まずイグニッションコイルを交換します。ノーマルIGNITORの場合、純正のBosch CDI用コイルは抵抗値が低すぎる為CDI用途以外では使用不可能ですし、MSDのブラスターコイルシリーズも同じ理由で使用出来ません。
  • P67, P63などノーマルIGNITORの場合:Flame thrower 40,000V coil、Boschスポーツコイル、デンソーGTコイルなど、一次側抵抗値が2.5Ω以上のコイルが使用可能(GTコイルの場合はB端子を使用し、+端子は使用しない)
  • PSKシリーズの場合:ルーカススポーツコイル、デンソーGTコイルなど、1.5Ω以上のコイルが使用可能(GTコイルの場合は+端子を使用し、B端子は使用しない)
  • IGNITOR IIの場合:殆どどんなイグニッションコイルでも使用可能

2.イグニッションコイルの+端子に電源を供給します。上の画像にある「フューズ2」の左側端子とコイルの+端子を接続してもいいですし、CDI用のコネクタの電源端子・上図のB1からコイルの+端子に繋いでもOKです。

3.IGNITORの赤コードをコイルの+端子に繋げ、IGNITORにも電源を供給してやります。勿論2.のようにフューズ2やCDIコネクタB1端子から電源を取ってもOKです。

4.次にIGNITORの黒コードをコイルの−端子に接続します。

5.最後にタコメーターの信号線をコイルの−端子に繋ぎ直して終了です。


  • タコメーターの信号線はナロー911の場合純正状態であれば黒に紫のラインが入った線が使用されているはずです。大概はCDI用コイルの+端子に繋がっているはずですが、デスビ側面のポイント信号端子に繋ぐ場合もあります。どの線かわからない場合はタコメーターを外し、タコメーター裏側の端子列の真ん中の「1」という端子に繋がっている線を確認します。この線の反対側がエンジンルームに出ているはずで、例えば電気テスターを使用しこの線とエンジンルーム側に出ているどの線が抵抗値ゼロになるかで、コイルの−端子に繋ぐべきタコメーター信号線を探す事が出来ます。





<<MSD6A, 6ALを使用する場合>>

こちらをご覧下さい。